「ファイアパンチ」
作者 藤本 タツキ 掲載誌 少年ジャンプ+(集英社)連載中
こんな人におススメ
年齢:10代以上 性別:男性
ジャンル:バトル、ダークファンタジー
マンガ系統:ZETMAN、東京喰種
このマンガがすごい!2017オトコ編第3位、マンガ大賞2017で第8位の本作。
連載開始から1年で、天才の名を欲しいままにする作者ですが、作品のぶっ飛び方ももちろん、本人もかなり変わった人のようです。
ネタバレは基本無し(導入部分だけ少しアリ)で、本作の魅力をお伝えできればと思います。
知ったか3ポイント
- 氷の魔女という祝福者のよって世界は飢餓と狂気に包まれた。
- 少年アグニとルナは肉体の再生能力に優れた祝福者で、自分の腕を切り落とし食料として村の人に与え生活していた。
- 相手を焼き尽くすまで消えない炎を使うドマによって村を焼き尽くされたが、アグニだけは消えない炎と共に生き残った。
斬新な主人公
祝福者というのは、特殊な能力を持つ者のことで、それ自体は珍しくはありません。
しかし、本作の主人公は、肉体の再生という能力を生まれ持っていたのですが、相手を焼き尽くす炎を身体に受けたことにより、消えない炎を常に身体に宿すことになります。
肉体の再生能力が高いので、炎が身体を燃やし尽くす前に再生してしまうということです。
少年アグニが再生能力を使い、顔の炎の除去に成功するまでの8年、もがき苦しみ続けたのです。
顔の炎の除去に成功したものの、他の部分は燃え続けているわけですから、苦しみは続くわけですが、アグニは、妹を殺したドマへの復讐するを決意するのです。
近年の漫画でこれほど男の心を鷲掴みにする主人公がいたでしょうか。
異能系の漫画では、主人公は元々強いか、修行して強くなるか、割とワンパターン化されています。
「再生能力」、「燃やし尽くす炎」と割とありふれた能力なのかもしれませんが、その二つを組み合わせるというコンボ。
しかも、自分を燃やし続ける炎は、妹を死に追いやった炎なのです。
このマンガは、アグニの復讐劇なのですが、文字通りの復讐の炎を身体に宿しているんですね。
因みに、「アグニ」とは、古代インド神話で、火の神を指します。
「バクマン。」でいう所の王道のマンガか、邪道のマンガかでいったら邪道の部類なんでしょうけど、面白ければそれでいいわけですし、実際このマンガは面白い。
作者 藤本タツキがおかしい(いい意味で)
実際マンガを読んでもらえればわかりますが、キャラクターに魅力があるのはもちろん、ストーリーの展開が予測不能。
ジャンプ系のマンガは、割と編集さんの力が強く(「バクマン」情報によると)、好きに書かせてもらえないイメージがあるのですが、これはネットマンガだからかかなり自由度が高い気がします。
作者の自由度が高いからこそマンガから伝わる作者の頭のネジの飛びっぷり。
そこで、少し藤本先生について調べてみました。
読み切り作品「恋は盲目」で2013年11月期のクラウン新人漫画賞佳作を受賞し。その後も数作の読み切り作品を経て、本作が初連載ということらしいです。
初連載で「ファイアパンチ」ですから、ちょっと規格外すぎますね。
藤本先生がおかしいエピソードとして、twitterがあります。
実は、先生には小学生の妹がいるらしく、その妹さんがtwitterをやっています。
しかし、どうもそのアカウントは藤本先生本人のアカウントで、小学生の妹が呟いているという体(テイ)でやっているようです。
小学生の女の子になりきっているわけです。ちょっとブッ飛んでますよね(笑)
藤本先生は現在24歳(2017年4月段階で)ですが、ジャンプとしては絶対離したくない大型新人なのは間違いありません。
ファイアパンチの今後の展開も非常に気になりますが、是非今後も面白い漫画をどんどん描いていってほしいですね。
ファイアパンチの感想
通常の異能系のバトルマンガとは一線を画すダークファンタジー作品です。
先の展開が読めないストーリー、初連載とは思えない画力の高さで読む人を虜にします。
ワンパンマンを読んだ時も思ったことですが、ネット連載のマンガって不思議な目新しさがあるんですよね。
なにか、マンガの新時代を感じさせる。そんな作品です。
結構マジでおすすめ。