「無限の住人」
作者 沙村 広明 掲載誌 月刊アフタヌーン(講談社)全30巻完結
こんな人におススメ
年齢:20代以上 性別:男性
ジャンル:時代劇、SF
マンガ系統:ちるらん、キングダム
月刊アフタヌーンで20年の長期連載の後、30巻で完結、2017年には、元SMAPの木村拓哉さん主演で実写映画化もした本作。
最近は、コンビニなどで再録版などを見かけることも多いですね。
今日は本作について。ネタバレは控えめで。
どうしてもネタバレが気になる方は、今、Kindle版で3巻まで無料で読めるようですので、そちらをどうぞ。
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2巻、3巻については、記事中の2巻、3巻の画像をクリックしてリンク先に飛んでください。
3ポイントであらすじ
- 逸刀流に両親を惨殺された少女、浅野凛
- 不老不死の肉体を持つ男、万次は100人切りの異名を持っていた。
- 凛は万次に用心棒を頼み、二人はかたき討ちの旅に出る。
不死身の万次
本作の主人公である万次は、八尾比丘尼によって、血仙蟲を体に移植され、不老不死の体を持つことになった。
100人切りの異名を持つほどの腕前を持つほどの剣豪であり、体中に様々な武器を仕込んでいる。
不死身といいますが、厳密には不死ですが、万能ではありません。
例えば、手が切断されたら、手が生えてくるかというとそうではなく、切断された手をもう一度切断面に合わせるとくっつくみたいな感じです。
殺す方法はあるということです。
剣の腕は高いのですが、最強の剣豪!というわけでもなく、作品中にも万次よりも剣の腕が高い人はたくさん出てきます。
持ち前の不死の特性で、なんとか切り抜けていくという感じですね。
復讐の少女、凛
剣客集団、逸刀流に両親を惨殺され、その復讐のために自分も剣の腕を磨きますが、自分の力のなさを知り、万次に用心棒を頼みます。
万次は当初引き受けなかったのですが、救えなかった妹に凛が似ていたことから、結局、用心棒を引き受けることになります。
少女ながら、信念と行動力を持ち、万次と一緒に両親の仇を打つたびに出るのです。
規格外の他のキャラクターばかりの中で、いい意味で普通なので、読者は凛に感情移入して作品を読んでいくことが出来ると思います。
剣客集団、逸刀流
統首、天津影久率いる剣客集団。
流派ではあるが、他の道場のように、型があるわけではなく、使う武器、戦い方などは自由、流派の垣根を超えた存在である。
凛の両親を殺害するなどおよそ正義とは呼べない部分もあるが、逸刀流としての考えがあり、ただの無法者の暴力集団というわけではない。
感想
不死身の万次が凛の復讐に付き合って、剣客をバッタバッタ倒していく。
もちろん、そういうマンガですが、それだけではありません。
凛は復讐心に狂った存在ではなく、何故、両親が殺されなくてはならなかったのかということを考え、時に復讐することに躊躇し、葛藤し。
複雑な人間関係も絡む壮大なヒューマンドラマであると思います。
万次は不老不死であるというSF感もありますが、描かれた時代は侍が刀で切りあうような時代。
初めて読む人は新鮮かもしれません。
人間の本性の部分、残虐な部分もありますし、性的な表現もありますので、そういうのが苦手な人にはオススメできません。
しかし、月刊連載で20年続けられた濃密なストーリーは、是非とも読んでいただきたい作品です。というか読まなきゃ損。
ご興味がある方は是非。
新装版はカッコいいですし、15巻で全巻ですので、おすすめです。
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