「双亡亭壊すべし」
作者 藤田 和日郎 掲載誌 週刊少年サンデー(小学館) 連載中
こんな人におススメ
年齢:10代以上 性別:男性
ジャンル:バトル、ホラー
マンガ系統:うしおととら、からくりサーカス
週刊少年サンデーでの連載は「月光条例」以来ですよね。
「うしおととら」は、連載終了してから十年経ってからアニメになったことでも話題になりました。
子供から大人まで、幅広い男性ファンがいる藤田先生の最新作。
今回は「双亡亭壊すべし」について紹介させていただきます。ネタバレは控えめで
知ったか3ポイント
- 東京都豊島区の沼半井長にある幽霊屋敷「双亡亭」は、行方不明者が出るなどのうわさが広まっていた。
- 絵本作家志望の凧葉務は、立木緑朗少年と知り合うが、その晩、緑朗の父が双亡亭にて死亡する。
- 一方、政府では双亡亭を破壊する「双亡亭破壊プロジェクト」を実施することを決めた。
いつもと違う!?藤田作品分析をしてみた。
僭越ながら分析してみると、藤田先生の作品パターンは2つあるように思います。
便宜上、「バネ足パターン」と「うしとらパターン」と呼びます。
①バネ足パターン
読み切りはもちろんですが、「邪眼は月輪に飛ぶ」や、「黒博物館スプリンガルド」など、あらかじめ数話で終えることを決める短期連載パターン。
特に「黒博物館スプリンガルド」は人気で(キュレーターがかわいい)、その後、続編として「黒博物館スプリンガルド」、「黒博物館ゴーストアンドレディ」が連載されました。
週刊連載にありがちな、「打ち切り」をされて短期連載というわけでなく、初めから意図された短期集中連載だったりするので、凝縮されたストーリーを楽しむことができます。
読み始めから終わりまでの疾走感がすごいので、藤田先生の天才っぷりを一気に味わうことができます。
②うしとらパターン
「うしおととら」、「からくりサーカス」、「月光条例」など、長期連載のパターンです。
「うしおととら」全33巻
「からくりサーカス」全43巻
「月光条例」全29巻
藤田先生のうしとらパターンの凄さは、まさに「怒涛のクライマックス」です。
ザ、最終決戦!!という時に、今まで物語で登場した仲間や敵やら全員集合して、物語の伏線を一気に回収していく爽快感が素晴らしいです。
藤田漫画の最大の魅力と言っても過言ではないと思います。
ただし、一気読みには向かないし、あんなに面白いクライマックスなのに最後まで読みきれない…って人もいるようです。
「双亡亭壊すべし」はどうなの?
では、この「双亡亭壊すべし」はどっちのパターンでしょう?
普通に考えれば週刊少年サンデーでの連載ですし、短期集中連載とも謳われていないので、うしとらパターンに思えます。
しかし、違います。
結論としては、どっちのパターンでもない。
おいおい、藤田作品は2パターンじゃねえのかよ!とツッコミが入りそうですが、ごめんなさい。
「双亡亭壊すべし」は今までにないパターンだと思っています。
ではどんな点がそう思わせるのでしょうか。
いきなりクライマックス!?
長期連載のうしとらパターンだと、序盤は小さな事件から解決して、中ボスみたいなのを倒したり味方にしたりして、最終的にラスボスに立ち向かうという少年漫画の王道なんですよね。
しかし、今回はいきなり最終決戦、双亡亭に乗り込みます。
うしとらパターンでは、じっくり伏線を作っていくため、展開が遅くなりがちなんですが、展開が早い早い早い。
そういった意味で、今回は藤田先生の新パターンなのかもしれません。
まとめ
週刊連載ということで、単行本が出るのも早いし、展開もスピーディな本作から目が離せません。
「うしおととら」もアニメ化しましたし、本作もアニメ化されるかもしれませんね(個人的にはバネ足パターンの作品のアニメ化とか映画化をして欲しいところですが)。
気になった人は読んでみてくださいね!