9巻完結の「僕だけがいない街」の舞台に住んでいた私が、ネタバレ無しレビュー

「僕だけがいない街」

作者 三部けい 掲載誌 ヤングエース(KADOKAWA)全9巻完結

こんな人におススメ

年齢:10代後半以上 性別:男女共に
ジャンル:SFファンタジー、恋愛、ミステリー、青春
マンガ系統:時をかける少女、シュタインズ・ゲート

実写映画化、アニメ化もされた本作。
ファンも多く、ちょっとした社会現象にもなりましたね。
今回は僕だけがいない街について、ネタバレは控えめでいきます。
映画を見たりした方も是非原作漫画を読んで見てください。

知ったか3ポイント

  • 主人公の藤沼悟は、「リバイバル」と呼んでいる特殊能力を持っていた。
  • リバイバルとは、直前に起きた悪いことの原因が取り除かれるまで、その直前にタイムリープするという能力であった。
  • 悟は、22年前に起きた連続誘拐殺人事件の防ぐために、リバイバルする




今の自分だったら…

誰しもが一度は思うかもしれません。
今の自分だったら、あの時のあの事件は防げていたかもしれない、
悟は小学生の時、同級生が連続誘拐殺人事件に巻き込まれるという経験をしていました。
あることをきっかけに、悟はその事件を解決しようとリバイバルするわけですが、事件を解決するために被害者の女の子と仲良くならないといけません。
見た目は子供、頭脳は大人(あれ?)な状態なわけで、子供に戻った悟は周りの子供に合わせて子供のフリをしなくてはいけませんが、もともと中身が成熟しているタイプの大人ではなかったので、結構周りの子供たちとすぐ馴染む悟。

友達と一緒に誘拐事件を解決しようとしていくわけです。



キャラクターの魅力

三部敬先生の魅力はなんといっても女性キャラクターの魅力だと思います。
流行りの萌え絵というわけではなく、独特な個性の絵にはなりますが、すごい色気を感じます。
(小学生なんだからそんに色気いらないだろ…)という突っ込みは野暮ってもんで、リバイバルした悟もついドキドキしてしまいます。

三部先生は他にも
鬼灯の島 全4巻完結

魍魎の揺りかご 全6巻完結

神宿りのナギ 全3巻完結

などの作品を発表されていますが、どれも女のキャラが可愛いですね。
そこはかとなく怪しい雰囲気が毎回ありますので、三部先生はいい意味でアレなんだと思います。
あれです。ジブリの白髪の監督と同じアレ。

上記の2作にもミステリー要素は結構あったのですが、「僕だけがいない街」はそれが強め。
それが魅力的な強いストーリーの軸となったのでしょう。
はっきり言って、女の子が可愛いだけの作品ではありません。

甘酸っぱいような気持ちを思い出させてくれる部分も多く、傑作といえます。

舞台

作者の三部先生は、北海道のとある港町出身なんですよね。
なにを隠そう、私も同じ町出身です。
元々知らなかったのですが、科学館のシーンありますよね?その科学館を見て、あれ?これ地元の科学館じゃね?と思って調べてみたらビンゴ。

幼少期を同じ場所で過ごしたからこそ、この作品への感情移入は強いのかもしれません。

正直、都会とは言えない漁業と工場の街で、子供たちが遊ぶ場所って限られるんですよ。
デパートだったり、空き地だったり。その中でも無料で出入りできた科学館って絶好の遊びスポットだったんですよね。
監視員さんもいるようでほとんど遊んでいる子供は放置、日に数回はプラネタリウムの鑑賞会があり(見る人がいなくても上映する)、ビックリハウスみたいな場所や、ボタンを押すと回転する木馬など、不思議な空間でした。

作者の三部けいさんも、科学館で遊んだ経験があるのでしょう。もしかしたら、私もどこかで一緒に遊んでいたのかもしれません。

今考えたら、街自体もそこまで裕福ではない場所でしたから、加代みたいなケースも珍しくなかったのかなと思います。

さすがに連続誘拐殺人事件までの記憶はありませんが、リバイバルして助けてあげたい女の子が作者には本当にいたのかもしれません。

そういった意味で、悟は作者自身なのかもしれません。

だからこそ、引き寄せられる強い魅力があったのでしょう。

感想まとめ

割と大人の人に読んで欲しい作品だと思います。
センチメンタルな部分が多く、身につまされるような気分になるかもしれません。
でも、だからこそ、今生きている現実で、どういった選択をしていくのが大事なんだと思い知らされる作品だともいます。

ぜひ、未読の方は読んで見てください。

ただの流行りの作品ではありませんよ。

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